製品を体験する

TOP > 導入検討ガイド > 【第2回】電子書籍の販売方法~大手プラットフォーム編

【第2回】電子書籍の販売方法~大手プラットフォーム編

企業が電子書籍の販売で検討すべきポイントとは?

電子書籍って色々なところで売っている…どこで販売すべき??

本記事では、大手の電子書籍販売プラットフォームを比較していきます。
自社独自で販売する方法については、別記事「【第3回】電子書籍の販売方法~独自販売編」で解説します。
なお、電子書籍の販売地域は日本国内として解説します。

そもそも、どんな観点で比較したらいいの?」という方は、まずこちらの記事をご覧ください。
【第1回】企業が電子書籍の販売で検討すべきポイントとは?
企業が電子書籍を販売する前に持っておくべき観点を解説しています。


サマリー

下表の通り、各プラットフォームごとに特徴が異なります。従って、自社が「電子書籍を販売する上でどこを重視するか」を明確にしてからプラットフォームを選ぶことをおススメします。

大手プラットフォームの比較表
プラットフォーム 手数料 課金
利用者数*2
販売形式 出版社が可能な
割引販売
その他の特長
Amazon
Kindleストア
65%(30%*1) 国内1位 ・買い切り
・買い切り+サブスク
1種類
楽天Kobo 55%(30%*1) 国内2位 ・買い切り 1種類
Google Play
ブックス
48% 国内7位 ・買い切り 3種類
Apple Books 30% 不明 ・買い切り 1種類
honto 非公開 国内6位 ・買い切り 不明 リアル書店
との連携
Kinoppy 非公開 不明 ・買い切り 不明 リアル書店
との連携
KinoDen 非公開 不明 ・買い切り 1種類 法人への販路
  1. プラットフォーム側の条件を満たした場合
  2. 漫画アプリを除く

但し、大手プラットフォームは一般的に手数料が高いとされています。
手数料を抑えたい場合は、独自販売も選択肢に入れておくと良いでしょう。


各プラットフォームの紹介

01.e-books sales platform

利用者数で選ぶなら
Amazon Kindleストア

Amazon KindleストアはAmazon.comが運営している「Kindle」向けの電子書籍を販売するコンテンツ配信プラットフォームです。

Amazon Kindleストア基本情報
手数料 65%(一定条件を満たせれば30%)
課金利用者数
(*漫画アプリを除く)
国内1位
販売形式
  • 買い切りのみ
  • 買い切り+サブスクリプション
出版社が可能な割引販売 1種類

利用者数は?課金利用者数国内No.1

AmazonのKindleストアは漫画アプリを除き、国内で最も利用、課金されている電子書籍サービスです*1
従って、電子書籍が多くの利用者の目に触れやすくなることが最大のメリットとなります。

利用している電子書籍サービスやアプリのうち
購入・課金したことのあるサービスやアプリ(複数回答、上位20位まで)

出典:インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2022』

手数料は?手数料は高め~原則65%、30%にするハードルは高い

一方、手数料は原則65%と他のプラットフォームに比べて高いです。
また、手数料を30%にするには、複数の条件を満たす必要があります。
同じように手数料30%にできる楽天Koboと比べて条件が多く、よりハードルが高いです。

大手電子書籍プラットフォームの手数料 Amazon Kindle

手数料30%の条件とは?

当該電子書籍(Kindle本)に関して

  1. 希望小売価格が、「250円~1250円*2
  2. 希望小売価格が、「印刷版の Amazon での希望小売価格を少なくとも 20% 下回る*3
  3. Amazonのサブスク読み放題サービス(Kindle Unlimited)の会員は無料で読める*3
  4. Kindle ストアの独占販売とする*4
  5. 「著作権保護された作品*3」である

特に、2~4の条件は企業の販売戦略に少なからず影響する内容と考えられます。
手数料30%を目指す場合は、公式ページでも詳細を必ずチェックするようにしましょう。

販売形式は?販売形式は2種類、サブスクのみは不可

Amazonで電子書籍を販売する方法は2種類あります。

  1. 買い切り販売のみ
  2. 買い切り販売+Kindleのサブスク読み放題サービス(Kindle Unlimited)会員にも提供

但し、2の場合、Kindle Unlimited会員によって閲覧された分の売上の計算は、買い切り販売の時とは異なる点に注意しましょう(下表参照)。

「買い切り販売のみ」と「買い切り+Kindle Unlimited」の違い
形式 売上の形式 売上例
買い切り販売
(Kindleストア)
電子書籍の販売価格 ×
(100 – 手数料*2(%))
1000円電子書籍(100ページ)が1冊読まれた場合
350
サブスク
(Kindle Unlimited)
閲覧されたページ総数 ×
ページ単価*1
1000円電子書籍(100ページ)が1冊読まれた場合
50
  1. ページ単価を0.5円として計算。近年(2017年~執筆時点)では0.4~0.6円で推移しているとされています*5
  2. 手数料を65%として計算

割引販売は?割引販売には条件あり

Kindleストアで電子書籍を割引販売する条件は、当該書籍がKindle 本専用の 90 日間の無料プログラム(通称KDPセレクト)に登録されていることです*6
電子書籍をKDPセレクトに登録するには、Kindleストアによる独占販売や、Kindle Unlimted会員への提供などが必要なため、決して簡単なものとは言えません。
また、割引販売する際、割引率を指定し、期間限定で割引販売を行うことは日本国内ではできません*7無料提供のみ実施できます。

Kindle Unlimited会員に提供するのは(サブスクでも提供するのは)
「プロモーション用の書籍がおすすめ」

電子書籍をKindle Unlimitedにも提供する場合のメリットとデメリットは下記の通りです。

Good
  • 読者が読むハードルが下がる
  • 買い切りで販売する際の手数料を30%に抑えられる可能性がある

Bad

  • 当該電子書籍を、Amazon以外で販売できない
  • 買い切り購入されないリスクが高まる。

上記を考慮すると、Kindle Unlimitedで提供するのは、「プロモーション用の書籍」がおすすめです。
例えば、シリーズものの第1巻や、入門編の書籍などです。

その書籍自体の売上は落ちる可能性がありますが、読者が読む心理的ハードルは圧倒的に下がります。
そして、第2巻や中級編以降を買い切りのみで販売すれば、それらの購入に繋がります。
結果として、トータルの売上で見ると買い切りのみの販売より売上を向上させることが期待できます。

逆に全てをサブスクで販売しようとする場合、Amazon Kindle Unlimitedで提供することは売上を押し下げるリスクが高く、おすすめできません。

02.e-books sales platform

利用者数と手数料のバランスをとりたいなら
楽天Kobo

楽天Kobo(コボ)」は楽天が運営する電子書籍ストアです。

楽天Kobo基本情報
手数料 55%(一定条件を満たせれば30%)
課金利用者数
(*漫画アプリを除く)
国内2位
販売形式 買い切りのみ
出版社が可能な割引販売 1種類

利用者数は?課金利用者数 国内No.2

楽天Koboは漫画アプリを除き、国内でAmazonに次いで利用、課金されている電子書籍サービス*2です。
従って、電子書籍が多くの利用者の目に触れやすくなることが最大のメリットとなります。

楽天ユーザーはポイントを持っている

また、楽天のユーザーはポイントをある程度持っており、電子書籍を購入するハードルが低い状況にあると考えられます。

楽天にはポイントが貯まりやすくなるキャンペーンや、利用者が楽天のサービスを使えば使うほどポイントが貯めやすくなる仕組み、所謂「楽天経済圏」があり、ポイントは楽天Koboでも使えるためです。

楽天の利用者は平均で約1万ポイント(1ポイント=1円)貯めているとの調査結果*8もあり、ポイントだけで書籍を買える層がある程度存在することが期待できます。

手数料は?本体価格299円以上で手数料は30%

手数料を30%にする条件は本体価格のみとなります*9
従って、大手プラットフォームの中で楽天Koboは低い手数料が実現しやすいと言えます。

大手電子書籍プラットフォームの手数料 Amazon Kindle

楽天Kobo電子書籍販売の手数料と条件
手数料 条件(本体価格)
30% 299円~100,000
55% 80円~298円
  • 但し、電子書籍がパブリックドメインの場合、手数料は80%

割引販売は?割引販売はシンプル

楽天Koboでは期間を限定して電子書籍の価格を割り引くことが可能です*10

03.e-books sales platform

自社での販促活動を重視するなら
Google Play ブックス

Google Play ブックス」はGoogleが運営する電子書籍ストアで、販売企業側が電子書籍を割引販売しやすいプラットフォームです。

Google Play ブックス基本情報
手数料 48%*11
課金利用者数 国内7位*2
販売形式 買い切りのみ
出版社が可能な割引販売 3種類

割引販売は?割引方法は最多の3種類

他のプラットフォームでは割引販売できるとしても、1種類のみのところが多いです。
Google Play ブックスは、それ以外にも「読者を限定した割引(プロモーションコード)」や「シリーズもののまとめ買い割引」も設定できます*12

割引方法 売上の対象者 内容
プロモーションコード 一部(コードを
受け取った顧客)
コードを入力すると
割引価格で購入できる
定期購読者限定!
コード入力で10%OFF
プロモーション価格 全て 割引価格で購入できる 新年度キャンペーン!
1週間限定で20%オフ
シリーズの
まとめ買い割引
シリーズの書籍を
複数購入する顧客
購入冊数に応じて
割引価格で購入できる
3冊購入で15%OFF、
全冊購入なら30%OFF

低コストで出版できる可能性あり(PDF販売可能)

もう1つの特徴として、Google Play ブックスではPDFでの販売が可能です。
出版社は紙の書籍の印刷データとして既に持っているPDFを流用できれば、電子書籍の出版コストを抑えられる可能性があります。

Google Play ブックスに出稿するPDFのガイドラインについては公式ページをご確認下さい。

04.e-books sales platform

Appleユーザーに向けて販売するなら
Apple Books

Apple BooksはAppleのユーザーに向けた電子書籍販売プラットフォームです。

Apple Books基本情報
手数料 30%
課金利用者数 不明
販売形式 買い切りのみ
出版社が可能な割引販売 1種類*13

アプリがプリインストールされているので購入しやすい

AppleのPCやスマホ、タブレットには「ブック」というAppleBooksのアプリがデフォルトでインストールされています。

従って、AppleユーザーはAppleBooksで電子書籍を購入・閲覧がしやすい状況にあります。

手数料は?手数料は無条件で30%

Apple Booksは、本記事の大手プラットフォーム内では最安の手数料を、条件なしで実現でき*14、低コストで販売できます。

大手電子書籍プラットフォームの手数料 Amazon Kindle

Appleの製品以外からは購入できない

一方、AppleのPCやスマホ、タブレット以外から、執筆時点において電子書籍を購入することはできません。

まず、Android向けにはAppleBooksのアプリが提供されていないためです。
一方、WindowsのPC向けには、iTunesというAppleのコンテンツ販売プラットフォームがありますが、そちらからは電子書籍の概要のみは確認できるものの、購入はできませんでした。

日本では、WindowsのPCやAndroidのスマホやタブレットを使う層が一定数存在し*15、AppleがスマホやPCの市場を支配しているとは言い切れません。
従って、AppleBooksだけで販売するのは一定の市場を獲得できないリスクがあります。

そのため、Apple Books単体で電子書籍を販売するというよりは、販路拡大を狙い、販売先のプラットフォームを追加する際の候補とするのがおススメです。

Apple Booksのデバイス別購入可否
デバイス 購入可否
Appleのパソコン、スマホ、タブレット
Android ×
Windows ×

05.e-books sales platform

紙の書籍も買う読者に向けて販売したいなら
honto

hontoは、大日本印刷株式会社が大型書店等と共同で運営する販売プラットフォームです。
紙の書籍と電子書籍の両方取り扱い大型書店(丸善・ジュンク堂・文教堂など)との連携サービスに独自性があります。

honto基本情報
手数料 非公開
課金利用者数 国内6位
販売形式 買い切りのみ
出版社が可能な割引販売 不明
その他の特長 リアル書店との連携(3書店)

紙の書籍も買う読者には割安感を与えられる

hontoでは、電子書籍と紙の書籍を購入した読者がお得になるサービスを展開しています。

上記2つのサービスにより、読者層が以下の条件にマッチする場合、企業は電子書籍を割安で購入できるメリットを提供できます。

  • 電子書籍だけでなく紙の書籍も購入する。
  • 紙の書籍をhonto、または提携店舗で購入する。

06.e-books sales platform

法人や公官庁等への展開も狙うなら
Kinoppy / KinoDen

Kinoppy、およびKinoDenは紀伊国屋書店が展開する電子書籍サービスです。

Kinoppyは他のプラットフォーム同様、個人が電子書籍を購入するプラットフォームです。
KinoDenは法人や公官庁といった団体が電子書籍を購入し、電子図書館として団体の構成員に電子書籍を提供できるプラットフォームです。

Kinoppy / KinoDen基本情報
Kinoppy(個人向け) KinoDen(団体向け)
手数料 非公開 非公開
課金利用者 不明 不明
販売形式 買い切り ・買い切り
・サブスクリプション
出版社が可能な割引販売 不明 1種類
その他の特長 リアル書店との連携
1書店(紀伊国屋書店)
法人への販路あり

KinoDenの電子書籍提供の流れ

一度に個人(BtoC)と団体(BtoB)に販売できる

出版企業は、大手取次モバイルブック・ジェーピー(MBJ)へ電子書籍データを入稿すれば、KinoppyとKinoDenの両方で販売することができます。

KinoDenは国内外の大学、企業、公官庁を中心に導入されています。
個人(BtoC)だけでなく、上記の様な団体(BtoB)へも電子書籍を販売したい企業にとっては、効率的な販路拡大が期待できます。

紀伊国屋書店ユーザーには、ポイント連携で割安感あり(Kinoppy)

Kinoppyと紀伊国屋書店のリアル店舗、ウェブストアでは同一のポイントが貯まり*16、各所で使うことができます。

また、Kinoppyを利用するきっかけの約50%は「紀伊国屋書店の店舗をいつも利用しているから」という調査結果*17もあります。

従って、紙の書籍が紀伊国屋書店で購入されやすい場合は、Kinoppyでも販売することで、読者に割安感というメリットの提供が期待できます。

例えば、紀伊国屋書店は全国80以上の店舗を大学の構内に持っている*18ため、大学生や大学教員向けの書籍は紀伊国屋書店で購入されやすい可能性があります。

低コストで出版できる可能性あり(PDF販売可能)

もう1つの特徴として、Kinoppy、及びKinoDenではPDFでの販売が可能です。出版社は紙の書籍の印刷データとして既に持っているPDFを流用できれば、電子書籍の出版コストを抑えられる可能性があります。