近年、電子書籍を自社販売したいというご相談が増えています。
その背景には、
- 大手プラットフォーム(AmazonKindle等)の手数料が高い、
- 自社販売のシステムを用意するハードルがグッと下がってきている
ことがあります。
そこで本記事では、電子書籍を自社販売するためのシステムを比較していきます。
「自社販売のメリットは?」「そもそも、どんな観点で比較したらいいの?」という方は、まずこちらの記事をご覧ください。
【第1回】企業が電子書籍の販売で検討すべきポイントとは?
目次
サマリー
調査した結果、主要な電子書籍の自社販売システムは以下の3つでした。
自社販売システムの比較表
販売システム名 | 読み放題サイト パッケージプラン |
shopify + bookend | LibraVサブスク配信 ソリューション |
料金 | |||
---|---|---|---|
初期費用 | 600万円~ | 190万円~ | 10万円 |
ランニングコスト(年間) | 非公開 | 100万円+300ドル~ | 72万円~ |
手数料※ | 非公開 | 3.15~8.15% | 4.1%~4.9% |
販売できるコンテンツ | |||
電子書籍 | 〇 | 〇 | 〇 |
動画 | ✖ | ✖ | 〇 |
音声 | ✖ | ✖ | 〇 |
販売形式 | サブスク | 買い切り・サブスク | サブスク |
ECサイトの開発 | 必要(独自サイト) | 必要(Shopify) | 不要 |
※クレジットカード決済手数料+取引手数料
全体的には以下の傾向があります。
- 表の左にある販売システムほど
「(ECサイトを)カスタマイズできるが、費用が高い」 - 表の右にある販売システムほど「カスタマイズしづらいが、費用が安い」
上記の傾向から、各システムはこのような出版社におすすめです。
また、電子書籍だけでなく、関連する動画や音声(オーディオブック)も販売して、売上アップを狙いたい場合は、LibraVサブスク配信ソリューションがおすすめです。
各システムの紹介
ECサイト構築を全てお任せしたいなら
読み放題サイトパッケージプラン
「読み放題サイトパッケージプラン」は、株式会社ボイジャーが開発する電子書籍の販売システムです。
料金 | 初期費用 | 600万円*1~ |
---|---|---|
ランニングコスト(年間) | 非公開 | |
決済手数料 (クレジットカード) |
非公開 | |
販売できるコンテンツ | 電子書籍 | ○ |
動画 | × | |
音声 | × | |
コンテンツの販売形式 | サブスクリプション | |
ECサイトの開発 | 必要(独自サイト) |
メリット 自社独自の読み放題サイトを開発してもらえる
最大のメリットは、出版社側の希望を基に、ボイジャーがシステム開発をすべて行ってくれる点です。
読み放題サイトには、EC機能と電子書籍の配信システムが揃っています。
「こんなECサイトが欲しいが、開発リソースがない」という場合におすすめです。
デメリット 「どんなECサイトにしたいか」を伝え、
開発してもらうための“調整役”が必要
一方で、希望通りの読み放題サイトを開発してもらうには、開発側との調整をしていくことが求められます。
出版社側が調整する内容は大きく2つあります。
- 「出版社側の希望(要件)」を抜け漏れなく伝え、開発側に同じ認識を持ってもらうこと。
- 開発されていく機能と「要件」のズレを埋めるために交渉すること
1.「出版社側の希望(要件)」を抜け漏れなく伝え、
開発側に同じ認識を持ってもらう
要件に沿ったシステム開発は、原則「要件定義書」をまず作成し、その文書内の要件通りに行われます。
従って、要件は文書や図で抜け漏れ無く記載する、もしくは記載してもらう様に調整する必要があります。
2.開発されていく機能と、「要件」のズレを埋めるために交渉する
筆者はこの調整業務の経験が何度かあるのでよく分かるのですが、要件定義書を作成したとしても、記載内容の解釈が異なる等の理由で、想定とは異なる機能やデザインが開発されてしまうことがあります。
開発側は出版社側ではないため、同じ解釈ができないことはどうしても起こり得るのです。
そういったときも予算内で想定した要件に近づけてもらうための交渉力が、ECサイトの開発中にも求められます。
本システムの開発期間は6ヶ月~*1です。
少なくともその期間は上記の調整に当たる人的リソースを確保しましょう。
Shopifyで既にECサイトを構築しているなら
Shopify + bookend
「Shopify + bookend」は株式会社アイドックが提供する電子書籍の販売システムです。
料金 | 初期費用 | 190万円~*2 |
---|---|---|
ランニングコスト(年間) | 100万円2 + 300ドル*3~ (日本円換算※:104.2万円~) |
|
決済手数料 (クレジットカード決済手数料 +取引手数料) |
3.15 ~ 8.15%*4 | |
販売できるコンテンツ | 電子書籍 | ○ |
動画 | × | |
音声 | × | |
コンテンツの販売形式 | 買い切り・サブスクリプション | |
ECサイトの開発 | 必要(Shopify) |
※1ドル=140円として換算
メリット Shopify販売時に、電子書籍の複製を防げる
ShopifyはECサイトを構築するためのプラットフォームです。Shopifyだけでも電子書籍を販売できます。しかし、Shopifyだけでは、「電子書籍の複製ができてしまう」のです。これは、購入者が電子書籍ファイルをダウンロードして閲覧するためです。
Shopify + bookendなら、この問題を解決できます。Shopifyで購入した電子書籍は、bookend(電子書籍配信システム)を通じて配信され、bookendが電子書籍の複製(コピーや印刷)を防止します*5。
デメリット 出版社側でECサイトを構築する必要あり
但し、ECサイトは出版社がShopifyで構築する点に注意しましょう。
「Shopify + bookend」が提供するのは、「電子書籍の配信プラットフォーム bookend」、及び「Shopifyとbookendを連携するシステム」のためです。
Shopifyを使ったECサイトの構築を外注する場合、その費用は一般的に50万円~1,000万円とされています。
制作費用 | |
---|---|
基本的な機能のみ | 50〜100万円 |
デザインや機能も自社オリジナル | 100〜300万円 |
フルカスタマイズで外部システムとも連携 | 300〜1,000万円 |
実際の価格例を調査しましたので、ご参考ください。
例1)基本的な機能のみ 株式会社 アーキタイプ :30万円~ + 運用保守費 月額5万円~*7
例2)デザインや機能も自社オリジナル コマースメディア株式会社:250万円*8
例3)フルカスタマイズで外部システムとも連携 コマースメディア株式会社:1000万円~*9
ECサイト構築不要で簡単に始めたいなら
LibraVサブスク配信ソリューション
「LibraVサブスク配信ソリューション」はロゴスウェア株式会社が提供する、電子書籍と動画の販売システムです。
料金 | 初期費用 | 10万円*10 |
---|---|---|
ランニングコスト(年間) | 6万円*10 | |
決済手数料 (クレジットカード決済手数料 +取引手数料) |
4.1%~4.9%*11 | |
販売できるコンテンツ | 電子書籍 | ○ |
動画 | ○ | |
音声 | ○ | |
コンテンツの販売形式 | サブスクリプション | |
ECサイトの開発 | 不要 |
本ソリューションで電子書籍を販売すると、他社にはない3つのメリットを得られます。
Libra V サブスク配信ソリューション
3つのメリット
- ECサイト構築不要
- 圧倒的低コスト
- 電子書籍の配信+αの付加価値を購入者に提供可能
メリット1 ECサイト構築不要。
フォームを設置するだけで電子書籍が販売できる
電子書籍の販売に、必ずしもECサイトは必要ありません。
LibraVサブスク配信ソリューションは、お客様のHPに申込フォームのリンクを追加するだけで、電子書籍や動画のサブスク販売ができます。
従来、出版社は雑誌等の定期購読販売としてHPフォームから申込みを受け付ける方法を利用してきましたが、LibraVサブスク配信ソリューションは申込みの受付から電子書籍や動画の配信まで、すべて自動で行います。
従って、
「これまでの定期購読に関する手作業を自動化したい」
「ECサイトを作るのは大がかりすぎる、もっと手軽に販売を始めたい」
という出版社におすすめです。
実際に上記の購入フローを体験できるデモもあります。気になる方は試してみると良いでしょう。
メリット2 圧倒的低コスト。それは、システムが開発済みだから
初期費用、ランニングコスト共に、他の2つのシステムとは1桁違う低価格となっています。
これは、LibraVサブスクソリューションが開発済みだからです*12。
一般的に、システムはカスタマイズできるようにすればする程、機能や設計が複雑になり、結果として高価になります。
LibraVサブスク配信ソリューションは、販売に関する機能を最小限(申込と決済)に絞っているため、圧倒的な低コストを実現しています。
これは、ソリューションの提供価値として「お客様が安価に、スモールスタートで電子書籍の販売が始められるようにすること」にこだわっているためです*13。
メリット3 電子書籍の配信+αの付加価値を提供可能
LibraVサブスク配信ソリューションには、出版社が売り上げを伸ばすためのさまざまな機能が用意されています。
読者は「何か知りたい・学びたい」という目的をもって書籍を購入します。書籍を単に配信するだけではなく、購入者の「知りたい・学びたい」をさらに支援できる機能があれば、読者は電子書籍をより買いたくなります。
また、販売価格を書籍の本体価格より上げたとしても、その機能に読者がお金を払うことは十分に考えられ、売上の向上が期待できます。
LibraVサブスク配信ソリューションなら、配信+αの機能で、読者の「知りたい」「学びたい」を支援できます。
ここでは+αの機能を3つ紹介します。
Libra V サブスク配信ソリューション
の付加価値
- 横断検索で調査が捗る
- 付箋やペンでメモを残せる
- 音声配信で「ながら聞き」、動画配信で「本を補完」
+αの付加価値1. 横断検索で、調査が捗る
購読者は、書籍を横断して、タイトルや本文を検索できます。
これにより「信憑性のある書籍から知りたい情報をすぐに知れる」という付加価値を提供できます。
例:「過去の統計年鑑の中から○○○について知りたい」とき
+αの付加価値2. 付箋でメモを残せる
購読者は、電子書籍に付箋でペンでメモを残せます。
さらに、メモは閲覧するデバイスが変わっても見ることができます。
つまり、会場、教室、移動中、社内、自宅など、どこで書いたメモでも、どの端末からでも確認できます。
これにより「メモへどこからでもアクセスできるから、学びやすい」という付加価値を提供できます。
+αの付加価値3. 動画や音声も一緒に配信できる
購読者には、電子書籍だけではなく、「動画」や「音声(オーディオブック)」も配信可能です。
これにより購読者へ以下の様な付加価値を提供できます。
「ながら聞き(読書できる時間が増える)」
「本の内容がもっとよくわかる(本の補完)」
また、出版社としても、サブスクで提供するコンテンツに様々なバリエーションを持たせることが可能です。
これにより、更なる収益向上が期待できます。
実際に、電子書籍と動画やサブスクで販売して単価UPを実現している出版社もあります。参考にしてみると良いでしょう。
例)女性モード社*14
- 電子書籍(雑誌)の読み放題プラン 月額 1,980円
- 電子書籍と動画の見放題プラン 月額 5,000円
上記のサブスクを利用してみた際の体験談を別の記事に記載しています。
月額5,000円が決して高くないと感じた理由なども記載しています。
「書籍+動画販売」の例~実践的なノウハウの解説動画で単価UP
デメリット 独立したECサイトは持てない
本ソリューションは、ECサイト不要であるがゆえに、商品(電子書籍書等)の紹介等は出版社のHPやSNS等で行う必要があります。
最後に
本記事では、主要なシステム3つの概要と、それぞれのメリットとデメリットを紹介しました。
システムを選ぶ際には、出版社の視点と顧客の視点を考慮することが重要です。
出版社側の視点
- ECサイトを構築、管理するためのリソース、技術的知識はあるか?
- 上記を外注する場合のコストは許容範囲内か?
- 収益向上に繋がる付加価値をシステムは提供できるか?
顧客の視点
- 購入したいと思わせる機能をシステムは提供できるか?
(書籍の購入を検討するそもそもの動機を後押しできるシステムか?)
お知らせ
弊社では、電子書籍・動画販売システム「LibraVサブスク配信ソリューション」だけでなく、電子書籍を簡単に制作できるソフトや、制作代行サービスをご提供しています。
①電子書籍(デジタルブック)制作ソフト FLIPPER U2
PDFから誰でも簡単に電子書籍(デジタルブック)を作成できます。
制作最短で翌日納品も可能な制作サービスも提供しています。
②スライド動画、オーディオブック制作ソフト STORM Xe
PowerPointから誰でも簡単にナレーション付きの動画、オーディオブックを作成できます。
また、PowerPointを送るだけでコンテンツが作成できるコンテンツ制作代行サービスも提供しています。
このように、弊社ではお客様の電子書籍販売ビジネスを幅広くサポートいたします。
「まずは相談だけ」でも全く構いませんので、お気軽にお問い合わせください。
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これからも、お客様の電子書籍販売ビジネスに役立つ記事を発信していきます。